VS Code環境設定
この章では、Web開発に欠かせないエディタ「Visual Studio Code(VS Code)」について一緒に学んでいきましょう。VS Codeは無料で使えて、しかもとても高機能なエディタです。最初は設定が少し大変かもしれませんが、一度設定してしまえばとても快適に開発できるようになります。
学習目標
- VS Codeの基本的な使い方を覚える
 - Web開発に便利な拡張機能を知る
 - 効率的なコーディング環境を作る
 - AI開発ツールとの連携方法を学ぶ
 
VS Codeってどんなエディタ?
VS Codeの魅力
VS Codeにはこんな素晴らしい特徴があります:
使いやすさ:
- Language Server Protocol (LSP): プログラミング言語のサポートが充実
 - 豊富な拡張機能: 必要な機能を自由に追加できる
 - TypeScript統合: マイクロソフト製なので、TypeScriptとの相性が抜群
 - リモート開発: コンテナやクラウド環境でも開発できる
 
パフォーマンス:
- Electronベースながら軽快に動作(非常に最適化されています)
 - 大きなファイルでも安定して動作
 - メモリ使用量も効率的
 
VS Codeの画面構成を覚えよう
ワークスペースの構成
VS Codeの画面は、いくつかのエリアに分かれています。最初は覚えにくいかもしれませんが、慣れてしまえばとても使いやすいですよ。

キーボードショートカット
ファイル・ナビゲーション
# ファイル操作
Ctrl/Cmd + N           # 新規ファイル
Ctrl/Cmd + O           # ファイルを開く
Ctrl/Cmd + P           # クイックオープン(ファイル検索)
Ctrl/Cmd + Shift + P   # コマンドパレット
Ctrl/Cmd + W           # タブを閉じる
Ctrl/Cmd + Shift + T   # 最近閉じたタブを再度開く
# ナビゲーション
Ctrl/Cmd + G           # 行番号で移動
Ctrl/Cmd + Shift + O   # シンボル検索(関数・変数)
F12                    # 定義へ移動
Alt + F12              # 定義をピーク表示
Ctrl/Cmd + -           # 前の位置に戻る
編集・検索
# 基本編集
Ctrl/Cmd + /           # コメントアウト
Ctrl/Cmd + [           # インデント減らす
Ctrl/Cmd + ]           # インデント増やす
Shift + Alt + F        # フォーマット
# マルチカーソル
Ctrl/Cmd + D           # 選択した単語と同じものを次々選択
Ctrl/Cmd + Shift + L   # 選択した単語と同じものを全て選択
Alt + Click            # マルチカーソル
Ctrl/Cmd + Alt + Up/Down # カーソルを上下に追加
# 検索・置換
Ctrl/Cmd + F           # ファイル内検索
Ctrl/Cmd + H           # 置換
Ctrl/Cmd + Shift + F   # 全体検索
Ctrl/Cmd + Shift + H   # 全体置換
ワークスペース管理
# パネル・サイドバー
Ctrl/Cmd + B           # サイドバー表示切り替え
Ctrl/Cmd + J           # パネル表示切り替え
Ctrl/Cmd + `           # ターミナル表示切り替え
# エディタ管理
Ctrl/Cmd + \           # エディタを分割
Ctrl/Cmd + 1/2/3       # エディタグループ間移動
Ctrl/Cmd + Shift + E   # Explorer表示
Ctrl/Cmd + Shift + G   # Git表示
Web開発推奨拡張機能
コード品質・フォーマッター
Biome
{
  "biome.enabled": true,
  "editor.defaultFormatter": "biomejs.biome",
  "editor.formatOnSave": true
}
- ESLint + Prettier の代替
 - 超高速なリンター・フォーマッター
 - Rust製で軽量
 
Git統合強化
GitLens
- インラインブレーム表示
 - コミット履歴のリッチな可視化
 - ファイル履歴とHeatmap
 
HTTP・API開発
Thunder Client
- VSCode統合APIクライアント
 - リクエスト履歴とコレクション管理
 - 環境変数サポート
 
AI支援開発
GitHub Copilot
{
  "github.copilot.enable": {
    "typescript": true,
    "typescriptreact": true,
    "javascript": true,
    "javascriptreact": true
  }
}
- AIによるコード提案
 - コンテキストを理解したコード生成
 - ドキュメント生成支援
 
開発効率化
言語サポート
Pretty TypeScript Errors
- TypeScriptのエラーメッセージを読みやすく整形
 - エラーの原因と解決策を視覚的に表示
 - 型エラーの理解を大幅に向上
 
TypeScriptのエラーメッセージは、初心者にとって理解しにくいことがあります。この拡張機能は、エラーメッセージを色分けし、構造化して表示することで、問題の把握と解決を容易にします。
特に複雑な型エラーや、ジェネリクスに関するエラーメッセージが読みやすくなり開発効率が向上します。
UI/UXサポート
Tailwind CSS IntelliSense
- クラス名補完
 - カラープレビュー
 - CSS値のホバー表示
 
まとめ
ポイント
この章で学んだ重要なことをまとめておきますね。
- VS Code: 無料で高機能なコードエディタ
 - 拡張機能: 必要な機能を自由に追加できる仕組み
 - IntelliSense: コード補完や型情報の表示機能
 - 統合ターミナル: エディタ内でコマンドを実行できる機能
 - デバッガー: コードの動作を詳細に確認できるツール
 
VS Codeを使うことで:
- ✅ 効率的なコード編集ができる
 - ✅ 豊富な拡張機能で機能を拡張できる
 - ✅ 統合開発環境としてすべての作業を一箇所で完結できる
 - ✅ Gitとの連携でバージョン管理が簡単
 - ✅ AI支援でコード作成が効率化される
 
最初は設定や拡張機能の選択に迷うかもしれませんが、まずは基本的な機能から慣れていき、必要に応じて少しずつカスタマイズしていくのがおすすめです。VS Codeは開発者にとって強力な味方になってくれますよ!